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「夢酔独言」7

眠い。
     八歳の時

⑦深川の屋敷が度々津波でやられるため、父親が本所に屋敷を移すことにしたので、屋敷が出来上がるまで駿河台の太田姫稲荷向こう、若林の屋敷を当分の間借りていた。その屋敷は大きく庭も立派で、隣に六・七百坪の空き屋敷があったが、みなが化け物屋敷だと言っていた。自分が八歳の時、父親が家内のものを集め、その屋敷に化け物の人形を立てて、百物語をしろと言い出した。その夜、一人ずつその屋敷へ行って、化け物人形の袖に名前を書いた札を結びつけてきたのだが、みなの怖がりようがおもしろかった。最後に自分の番になったが、最後の者は磨いた四文銭で人形に目を付けてこなければいけない。夜の九つ半(一時)くらいだったと思うが、その晩はまっくらだったので、苦労しながらも人形の目をつけて戻ると、みなに褒められた。
⑧養家の祖母は生まれつき意地が悪く、両親も酷い虐めを受けたせいで若死にしたのだが、自分のことも毎日毎日虐めるので、ある時忌々しくなって感情にまかせて悪態を吐いた。それを聞きつけた父親が怒って「子供のくせに、祖母に向かってお前のような口をきく者はいない。見てはいられない」と脇差しを抜いて斬りつけてきたが、清という女が謝ってくれた。
⑨翌年ようやく屋敷の普請が終わって引っ越した。自分の部屋が表の方になったのはいいが、祖母と同じ屋敷で暮らすことになってしまい、それからは毎日小言ばかり聞かされてまいった。普段の食事も、自分には不味い物ばかり食べさせるので、なんて憎たらしい婆だと思っていた。
⑩自分は毎日外でばかり遊んでいて、しょっちゅう喧嘩していた。ある時、亀沢町の犬が、自分の飼っていた犬と噛み合いになり、自分たちも大喧嘩になった。自分たちの方は、十四歳になる隣の安西養次郎というのを頭に、近所の黒部金太郎、同兼吉、篠木大次郎、青木七五三之助に高浜彦三郎に、自分と弟の鉄朔で八人。自分の屋敷の門前で、亀沢町の連中と叩き合いをした。連中は緑町の子供も連れてきて、四・五十人で竹槍を持っていたが、こちらは六尺棒・木刀・竹刀で対抗し、連中を追い返した。二度目の時には向こうにおとなが混じっていて、再度の叩き合いになったが、こちらが負けてしまったので、隣の滝川の門内に逃げ込んで一息吐いた。だが、向こうは調子に乗って門を丸太で叩き始めたので、今度は自分たちが必死になり、脇差しを抜いて打って出た。すると、その勢いにおそれをなして大勢が逃げ出し、今度はこちらが追う番になったが、一番に追いかけていった弟が、引き返してきた前町の仕立屋の子供で弁次という奴に、竹槍で胸を突かれた。その時自分が駆けつけて弁次の眉間を斬りつけると、相手は尻餅をついて溝に落ちたので、つづけざまに顔を斬ってやった。前町から子供の親が出てきたりして大騒ぎになり、それから自分たちは勝ちどきを上げて滝川の家まで戻り、互いに喜び合った。だが、その騒ぎを長屋の窓から見ていた父親が怒り、自分は三十日ほど閉じ込めにあい、弟は五・六日ほど蔵に閉じ込められた。
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