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そういえばこんなことあったなぁ

最近猫好きの方がやっているブログを訪問して

そういやこんなことあったなーということを思い出したので

小説っぽく書いてみたり。

「はよ放ってある小説を書かんかい」という向きもあるかも知れませんが

どうか、ご容赦下さいwこれ終わったら作業します(^_^;)

ちなみに、登場したモノのどれかが自分(しばたや)本人ですw

本人以外は多少脚色が入ってますが。


     「背中」

 季節は秋に差しかかりつつあって、もう随分陽が短くなってきていた。

 空が茜色に染まる中、彼女と一緒の下校途中。

 いつも通る道、少し大きめの公園に差しかかった時のことだ。

「ねえ、あの子……」

 彼女が急に立ち止まり、僕を促した。

 そちらの方に目をやると、小学校中学年くらいだろうか、一人の男の子が暗くなり始めた公園のベンチでぽつんと座っている。

「なんだろう?」

 僕が首を傾げていると、少しお節介なところのある彼女はもう男の子の方へ歩き始めていた。

 正直、あまり関わりなくないなぁと思いながら、仕方なく僕も彼女の後を追う。

「ねえボク、どうしたの?」

 彼女が声を掛けると、俯いていた男の子が顔を上げる。
 
 どこにでもいそうな男の子だったが、その表情はどこか途方に暮れたものだった。

「なにかあったの?」

 すぐに顔を伏せてしまった男へ更に話しかけながら、その隣に彼女が腰を下ろす。

 長くなりそうだな、と思った時、僕は男の子がなにかを抱いていることに気がついた。

 男の子の腕の中にいたのは、茶トラの子猫。

 なんとなく状況が解った気がした。

「おれの目の前で、捨てられたんだ……」

 おれ、という言葉に少し違和感を感じるほどに幼さが残る男の子は、ぽつりと言う。

 すぐに黙り込んでしまう男の子から、彼女は根気よく話を聞き出した。

 それによれば、男の子が一公園で遊んでいると、子猫を抱いた姉弟がやってきた。

 様子が変だと思った男の子が注意して見ていると、姉弟は子猫を砂場に置いて走り出した。

 その瞬間、その姉弟が子猫を捨てたと男の子は気づき、その子猫を抱いて姉妹を追ったらしい。

 だが、公園の出口で車が待っていて、その姉弟が車に乗り込むと、凄い勢いで逃げ去ったのだという。

 想像より、ちょっとハードだった。

 子供が車の運転をできるはずがないから、親もグルで捨て猫をしたということか。

 男の子もそれが解っているのだろう、僕たちに向ける目も、どこか非難じみた色を帯びている。

 僕たちは高校生だが、男の子にとっては充分大人だ。

 非力な子猫を捨てる手伝いをした姉弟の親に感じた怒りを、僕たちにも向けているのかもしれない。

 一瞬理不尽だな、と思ったが、僕たちだって大人をひとまとめに非難することがある。
 
 小さな子供であれば、尚更か。

「こいつ捨てられたこと、多分わかったんだと思う。すごく鳴いてたんだ」

 今、その子猫は男の子の腕の中で喉を鳴らし、安心しきったように眠っていた。

 男の子の顔が泣き出しそうに歪む。

 だが、泣かなかった。

 泣いてしまえば、自分の腕の中にいるものを、守ってやれる者は誰もいなくなると思っているのだろう。

 そういえば、男の子は一人で遊んでいたらしい。

 ひょっとしたら、この男の子もなにか悩みや家庭の事情があるんじゃないか。

 だからこそ、子猫を見捨てられなかったんじゃないか。

「お父さん、前に猫は飼えないって言ってたから……」

 家に連れて行くわけにもいかず、子猫を見捨てることもできず、悩んでいたらしい。

「そっか……」

 彼女が黙り込む。

 彼女は動物好きだが、アパート暮らしなのでペットは飼えない。

 僕のうちは妹が喘息持ちなので、猫はダメ。

 悩む人間が三人になっただけで、なにも解決の糸口が掴めなかった。

 どれだけ時間が経っただろうか、辺りがすっかり暗くなった頃、男の子はすっくと立ち上がった。

「おれ、お父さんにお願いしてみる」

 こちらの方を向いた男の子の顔は、暗くてよく見えなかった。

「大丈夫?」

 心配そうに彼女が問い返す。

「なんとかなるよ、なんとかする」

 意外なほどに明るい声が返ってくる。なにかを決意し、なにかを吹っ切った声だ。

 なにもしてやれない自分が、なんとなく情けなくなった。

「じゃあ、お姉ちゃんたち、ありがとうな」

 そう言って、男の子は黄昏の闇の中に消えていった。

 自分が守ると決めたものを、しっかりと腕に抱いて。

 その背中は、小さくて大きい、男の背中だと、僕は思ってしまった。

「大丈夫かな?」

 一緒にその背中を見送った彼女が、不安げに言う。

「大丈夫だろ、きっと」

 今のあの子は、少なくとも僕なんかよりずっと強いだろう。

 彼女と並んで歩き出しながら、彼らに幸せな結末が訪れるように、僕はそっと祈らずにはいられなかった。

 
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