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「乾いた掌」25

そういえば去年あちこち送った結果は最終が1、三次が1、で一次も通らなかったのが一本。

後は選考を多かれ少なかれ通りましたねぇ。

最近のものになるほど評価が高いので上達はしてるもよう。

結果如何では完全にジャンル変更しようと思ってたんですが、やっぱり微妙な結果に(苦笑い)
 そう言われても、ガランたちは動きにくい。
スノウの近衛だった者は、全員最低一度はスノウと手合わせした経験があるが、以前のスノウの剣風は豪剣そのものであった。
 対峙したその時から、気迫で圧倒する激流のような剣だったはずだ。
 だが、今目の前で軽く腰を落としたスノウからは、その頃感じたような荒々しい気配は片鱗すら感じられなくなっている。むしろ静かすぎて、これから剣を交えるという雰囲気も感じ取れないガランたちは、刀を抜く切っ掛けすら掴めないでいた。
「こないのなら、こちらからいくとするが」
 すっとスノウが片足を上げる。
 それに反応して、スノウにもっとも近い位置にいた兵が反射的に刀へ手をかけた。
 その瞬間、そっとその手にスノウの手が重ねられる。
「?!」
 兵の目の前に突然スノウが現れていた。
 その場の全員、スノウから目を離していなかったはずだというのに、その移動する瞬間が判らなかった。
 驚きながらもそのままスノウの手をふりほどいて刀を抜こうとしたその兵は、その手をふりほどくこともできずに地面へ潰された。
 圧倒的な力で潰されたわけではなく、まるで自分から倒れていったように周りからは見えた。倒された兵も何が起きたのか理解できない体で空を仰いだまま何度も瞬きをしている。
「そら、ぼうっとしているな」
 ゆらり、とスノウが体を揺らす。
 慌てて刀を抜こうとした兵だったが、最初の一人が鞘から刀を抜く余裕もなく、瞬く間に六人が地面に転がされた。
「なんと……!」
 ガランが驚愕の声を漏らす。
 動いているのは理解できるが、動き始めがまったく判別できない。空気が動かない。殺気が無い。察知ができないのだ。
 動いた、と思った瞬間にはもう動きが終わっている。
 尋常ではない。まさしく人外の所業だ。
 一体自分たちの知らない間に、この方に何が起きたのか。
 結局、鞘から刀を抜くことができたのはガランにショウヘイとタカオ、それにもう一人だけだった。
「言っておくが、オレは手加減しているぞ。動く瞬間を分かりやすくしているのだからな」
 それを聞いた四人の背筋が冷たくなる。まだ本気ですらないというのか。
 兵の一人が怖じ気を振るい落として気合いをかけ、冗談から斬りかかる。僅かに拍子を外してショウヘイとタカオ、さらにガランが三人の動きに合わせて隙を埋めるように斬り込む。
 だが、次の瞬間スノウが前触れなく目の前から消えた。
 そして斬りかかったはずの四人は、丁寧に刀を鞘に戻された上で地面へ転がされていた。
「これで文句はあるまい、ガラン?」
「あ、は……!」
 呆然と天を仰いでいたガランが、声をかけられ慌てて飛び起きる。
「い、今のは一体?」
「ある老人から授けられた技だ」
「わ、技なのですか」
 ガランにはとても人間業とは信じられなかった。
 ハグンも怪物じみた強さだと思っていたが、スノウの見せた技もまさしく神業。
「なるほど。スノウ様が奴と戦おうと思ったのが納得いきました。スノウ様ならばあるいは……」
 居住まいを正し、ガランは表情を明るくする。
 それと対照的に、表情を暗くしたのは傍らで二人のやりとりを見守っていたタカオだった。
「スノウ様! オレも、オレもお連れ下さい! お願いします!」
 悲壮さすら感じさせる声でその場に土下座したタカオは、地面に額を擦りつける。
 だが、それに対するスノウの答えは冷たいものだった。
「駄目だ。俺に傷を付けられなかったものは連れて行けない。そう言ったはずだ」
「しかし……!」
 今のスノウが尋常の動きでなくなっているのは、一瞬でも交差したタカオにもはっきりと理解できた。その実力の底がまったく計れないほど彼我の段階は離れてしまっている。
 その事実が、タカオには堪らなく悲しく寂しかった。
 自分がついていったところで足手まといにしかならないのは判っている。おそらく自分などがいなくとも、スノウは何事もなく目的を達してしまうだろう。
 ──だが、その後は?
 今のスノウを見ていると、その超常的な技と存在感とは裏腹に、そのまま薄れ消えてしまうのではないかという不安が胸を突くのだ。
「タカオ」
 子供のように不安に顔を歪めるタカオの前にスノウは膝をつき、その肩を優しく叩いた。
「もしも俺になにかがあったり、目的を達した後のことを引き継いでいくのは、お前たち若い人間だ。俺はお前たち若者に死んで欲しくないのだ。わかってもらえんか」
「スノウ様……」
 タカオは言葉もなく、ただはらはらと涙をこぼすことしかできなかった。
 それはスノウの言葉に心打たれたからではない。
 抗うものをあざ笑うがごとく、軋みを上げて回っていく巨大な歯車の前に、抗う力も術も持たない自分が、あまりに無力で情けなかったからだった。
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