スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「夢酔独言」70

あと数記事なので一気にやってしまおうという腹づもり。

       吉原での喧嘩沙汰

109 自分が隠居する前の年だが、吉原が焼けて諸方へ仮宅ができた。その時、山の宿の佐野槌屋二階で、橋場の銭座の息子・熊という者と大喧嘩をして、熊を二階から下へ投げ出してやった。すると銭座の手代が二・三人来て熊を連れ帰ったが、しばらくして三十人ばかりが長鈎を持って佐野槌屋を取り巻いたので、自分は肌を脱ぎ襦袢一つに高股立ちをとって飛び出し叩き合い、三度二・三町追い返した。
 結局会所から大勢がやってきたので引き分けとなったが、それからは山の宿でも女郎屋一同、客を送る婆もカカァも自分の顔を覚えて、自分を避けるようになったので何も間違いは起こらなくなった。
 その時は二尺五寸の太刀を差していた。山の宿中、女郎屋も、三日間戸を閉めていたが、事なく済んだ。その他にもあちこちで喧嘩は何度もあったが、ほとんど忘れてしまった。
 浅草市で多羅尾七郎三郎に男谷忠次郎そのほか五・六人で行ったときは、二尺八寸の関の金(原書虫食い部分)の刀を差していたが、これは鞘の小尻に犬(虫食い)きがつけてあった。
 その時は七郎三郎が急に誘ってきたので袴を穿かずにいったから、雷門の内で混み合うせいで刀が股ぐらへ入って歩けなかった。押しやっていったらば、侍が多羅尾の頭を山椒の擂り粉木で殴ったので、自分が押されながらもそいつの羽織を押さえたら、擂り粉木でこちらの肩を叩いてきた。それで刀を抜こうとしたが、人が多くて小尻がつかえたので「片端から切り倒す」と大声を上げると、通りの者がぱっと散ったので、抜き打ちにその男の逃げるところへ浴びせた。ところが間合いが遠く、切っ先で背筋を下まで切り下げただけで、帯が切れて大小も懐中物も残らず落としたものの、男には逃げられてしまった。そうすると伝法院辻番から棒を持った一人が出てきたので、二・三回刀を振り回し、往来の者が半町ばかり散ったところで、大小と鼻紙入れを拾って辻番の中へ投げ込んだ。
 それからすぐに奥山へいった。刀は一寸余りも引っかかったようで、大勢が混み合っている場所では、長い刀も善し悪しだと思った。多羅尾は禿頭だったので、殴られたせいで怪我をしてしまった。
 それから喧嘩しつつ両国橋までいったが、その晩はなにも他にすることがなかったので家へ帰った。

スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

shibataya

Author:shibataya
人生行き当たってバッタリ。

Twitter
月別アーカイブ
最新記事
最新コメント
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

FC2カウンター
検索フォーム
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

オンラインカウンター
FC2掲示板
初音ミク 名曲メドレー


presented by 初音ミク オリジナル

フリーエリア
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。