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「夢酔独言」57の前

なんだろう?

今更五月病ってわけでもないんでしょうが、テンションがいまいち。

     
           大川丈助一件

95 この前年、地主の孫一郎の身上がだんだん悪くなってきた。自分が奥方の世話をしてした時には知行所へ話し、百姓の賄いにしていたから何の問題もなかったが、そのうちに当主が酒に溺れ始め、取り締まりもいい加減になっていった。奥へも町人が直に入るようになり、伯父の仙之助が色々と当主を騙し、品無く借金をして遊びほうけていたし、親類の倉端も金を借り倒したりしていた。仕舞には近所の米屋の娘を呼び込んで毎晩酒を飲み耽っていたから、以前の状態に戻りつつあったので、仙之助の薦めで大川丈助という用人を雇い入れた。
 知行所の者は聞いていないからと自分に止めてくれと言ってくるし、舅の権之助からも頼まれたので、色々と意見をしたら、挙げ句の果てに自分を土地から立ち退かせようとしたので喧嘩になった。向こうに謝らせて済ましたが、丈助が仙之助を取り込んで金五両を貸したので、とうとう丈助を用人にしてしまった。その後あれこれとやっているうちに、地主を御番入させると言って、三十両を掠め取った。
 それから、色々と立て替えてきた金の返済となって一同が困っていると、またまた仙之助が丈助を引き出してきて支払勘定をさせると、一年で立替金が三百三十九両になった。
 丈助はその帳面を二冊作り、一冊は自分の控えにして、もう一冊は旦那へ出したが、その支払いの始末ができないので旦那が丈助に難癖をつけて追い出そうとした。だが、丈助は利口だから、ある晩孫一郎が酒に酔っている時を伺って、帳面を盗んで焼き捨ててしまった。おかげで、旦那の方には証拠が無くなってしまい、つけ掛けともなんとも言いようが無くなり、大いに困って色々と詮議したがどうにもならない。仕方がないので空の掛け合いとなり、一月ほど経ってから親類が見かねて世話をしたが片が付かない。本家の岡野出羽守が家来を寄越して丈助と掛け合ったが、これも証拠がないから埒があかなかった。曾我又左衛門という伯父がさらに掛け合うも、同じことで目鼻が空かない。結局は丈助が御老中の太田備後守殿へ駕籠訴をしたために六ヶ敷となって、丈助は孫一郎引き渡しになり、頭の遠山安芸守から通達があるまで丈助を長屋へ押し込めて宅番を付けた。
 家来が少ないから急遽侍を二・三人雇い入れ、村方からも大勢人を呼び出す騒ぎになった。
 それから再度親類中が集まって丈助と交渉したが、丈助は書物も堪能で弁舌が立ち、公辺にも詳しく大丈夫の者だから少しも屈しなかった。誰も相手にならないものだから、番頭が相番の御張懸り(原文ママ)を寄越して掛け合ったが、やはり皆やり込められて帰ってくる。そうこうするうちにまた丈助が駕籠訴をしたので、これもまた同じように遠山から孫一郎へ引き渡され、さらに厳しく監視していると、今度は女房の方が太田殿へ駆け込んだ為に、これも引き取って玄関の次の間へ宅番を付けて監視することになった。まこと大騒動になり、その上孫一郎も身上が悪いので、日々の入用がないせいで百姓がまごついて借金にばかり専念していた。
 再び頭から別の御張番の懸かりが来たが、これも丈助にやり込められて帰ってくる。何度もそれが繰り返されているので、丈助の遊び相手に来ているようだと皆で笑っていた。
 そうしているうちに丈助の女房が抜け出し、また太田殿のところへ駆け込んだので、それを引き取って番人を増やしたり評議したりと大混雑していた。そうしていると、外で勤めている丈助の惣領が、これもまた御同所へ駆け込んだ。それも引き取って中の口にも宅番を置くことになった。三カ所の宅番を置くことになり、どうにも始末がいかなくなって大弱りになったが、仕舞には組頭が病気にかかり、頭の遠山安芸守も備後守殿の家来から丈助の倅を引き渡される際に「岡野孫一郎の家来一人のことに、安芸守ともあろう者がいつまでも時間を掛けているのは、その御役目にも似合わないことだと、主人は薄々申しております」と言われ、すぐに病気を理由に引き籠もり、その後を外組の本多日向守が引き受けた。だが、その御張衆も入れ替わり立ち替わり掛け合ったものの、やはり片付かない。親類も困り果てていると、友人が自分に「お前がその場にいながら、あれほどのことをただ見ているだけとはどういうことだ」と尋ねるので、「それには理由がある。先年から取続もできない身上を、自分が骨を折って食えるようにしたというのに、丈助を召し抱えるなと意見を言ったら、自分を土地から立ち退かせようとしたので喧嘩をした。それから少しも関わっていないので、今度のことも一向知らない顔をしている」と答えた。それから毎日義太夫節を聞いて歩いていたが、隠居の慰みだから好きにしようと家にも帰らず、虎のところに泊まり込んでいた。やがてあまりに困った番頭が小普請をさせて切り抜けようとしたが、丈助の伜が出奔してしまいまたしても大事になった。後老中方より引き渡しになった者が出奔となると御届けになり評定所の管轄になる。そうすると家名にも関わり、そうなると丈助は喜ぶし、孫一郎は大心配して直接日向守へ届けたので、御張衆が来て大評議をした。その折り、丈助家内の者が、三度の食事も与えられないからと断乳の届けを出し、孫一方へ子供三人とも差し出してきたので、急に子守やら乳母やらの手配をしなければいけなくなって右往左往していると、御張衆も立て続けに色々起こったせいで、その席を立って逃げ帰った。
 夜になってからまた違う御張衆が二人やって来て、最早明日は御届けになるということで、親類の者が残らず集まって評議を待っていたが、前代未聞のことだと思った。

※まだ倍近く残っているので一旦ここで切ります。

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