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「夢酔独言」55

ようやく島田の虎さんが登場です。

小吉さんも不良中年全開で、一番好きな段落だったりw

        島田虎之助とのつきあい

93 ある日、息子の柔術の相弟子に島田虎之助という男がいて、凄腕の剣術遣いだとみんなが畏れていた。この男が癇癪持ちの強気者で、男谷の弟子も皆叩き伏せられていた。浅草の新堀へ道場を出していたが、自分は一度も会ったことがないので会いに行くことにした。その時自分が思ったのは、九州出身で二・三年前に江戸に出てきたとはいえ、まだ江戸慣れはしていないだろうから、ひとつ度肝を抜いてやろうということだった。ひじり綿の襦袢に洒落た衣類、短羽織に拍子木の木刀を一本差して会いに行ったら、内弟子が出てきて「どこから来た」と言うので、「勝の隠居だ」と伝えると、早速に虎(之助)が袴をはいて出てきて座敷に通された。初めての挨拶が済んでから、倅が世話になっている事に礼を言い、世間の剣術話をした。自分の姿を見て、色々と世上にいる遊惰者の話を当てこするように言ってきたが、そういう人物なのだと前もって聞いていたので気に留めなかった。七ツ時(午後四時)になり、虎へ「今日は初めて来たので、なにか土産をと思ったが、なにが好みかも知らないので手ぶらできた。酒はどうか」と訊いたら、「呑まない」と言う。「美味いものは」と訊くと「それはいい」と答えたので、「それならご苦労ではあるが、浅草辺りまで出よう」と告げて、虎が断るところを無理に引き出した。それから浅草で先奥山の女どもをなぶって歩き、その後へ肝を潰した顔でついてくる虎へ「鮨飯を食うか」と訊いたら「好きだ」と言うので、「それなら、面白いところで鮨を食おう」と吉原へ連れていった。大門に差し掛かったところで、虎が「御免御免」と遠慮するのを無理に連れ込み、仲の町のお亀ずしの二階へ上がって鮨を食った。その時に「煙草はどうだ」と訊いたら「呑むが、今は修行中なので止めている」と言うから、「それは小量(みみっちい)な話だ。煙草を吸ったからといっても修行ができないことはあるまい。世間で、お前は豪傑だと言うので会いに来たのだが、そのような小量では江戸での修行はできまい」と言ってやったら、「そこまで言うなら、今日は吸おう」と言ったので、店に言いつけて煙草入れときせるを買わせた。また「酒も呑め」と勧めると、これも同じように断ったので無理矢理呑ませた。そのうちに日が暮れて、あちこちで提灯が点り、桜もまだ咲いているので風景も一際良かった。揚げ屋の太夫の道中も始まったので二階から虎にも見せたら「本当に別世界だ」と余念なく眺めていた。そこからは自分の威勢を見せようと言って、隅から隅まで見せ、力んで見せると(※まさか全裸になって見せたわけではないと思いますが。剣術の型でも見せたか?)大いに感心した様子だったので、そのまま直に佐野槌屋へ入り、一番人気のある女郎を上げて遊んだ。桜の時分なので客が大勢いて部屋がなかったが、自分の顔で開けさせて、朝まで遊んだ後、虎とは森下で別れて家へ帰った。
 その時に「吉原であのような遊びができる者ではないはずだが、どういうことで顔が売れたのだろうか」と皆で話していた、と松平の家来、松浦勘次が自分に言っていた。
「すでに隠居しているのだから、吉原で遊んでいても構うまい」と、男谷の方でも安心していたそうだ。

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