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「夢酔独言」37

ぼちぼち時代小説の方も手をつけたいんですけどもね。


       本所割下水・刀剣の売買

70 この年、父親と兄に頼んで外に出して貰い、割下水天野左京という人の土地を借りて、今まで住んでいた家を引き払った。その後居場所に困って天野の二階を借りていたが、左京が大病を患って亡くなり、その世話を色々としているうちに新宅の普請も終わった。新宅へ移ると、本宅の天野岩蔵という人が、左京の家では跡取りがまだ二歳なので久来の意趣から家督願いの時に文句を言い、左京の家を潰そうとしたので色々と揉めたが、その時自分が本家との縁があったのでなんとかなだめ、家督は解決した。すると天野の親戚が喜んで、今後もどうかよろしく頼むというので、その後も世話をしていた。そのうち左京の母親の行跡が悪く、やたらに男狂いをして普段騒動ばかり起こしているので、せっかく家を建てたが、その家を売って引っ越しをしようと思っていると左京の子・金次郎である頭向へ言った。その取扱いが言うには「今お前が出ていくと後が滅茶苦茶になるので、一両年はそこにいてくれ」とのことなのでそこにいたが、人の家が治まっても自分の家が治まらないので困っていた。するとある老人が「世の中は恩を怨みで返すことが普通だが、お前は怨みを恩で返してみろ」と教えてくれたのでその通りにしていると、そのうち家内も治まって、やかましいババア殿もだんだん自分に一目置くようになり、世間の人も世話をしてくれるようになった。それから人の出来ない相談や、掛け合いその他、何事に限らず自分のことのようにやっていたが、そのうち自分に刃向かっていた連中が「はいはい」と自分の言うことを聞くようになってきた。これもかの老人のお陰だと嬉しく思い、同流の剣術遣いが不埒や使い込みをして途方に暮れているのに金をやって、あちこちへ遣いを出して身の安全を守ってやったのは、何人にもなる。その後、自分が諸国へ行ったときには、そこの人間が自分のことを知っていて、世話をしてくれたこともあった。
71 天野のところに住んでいるうちは、とかく地主の後家の件で難しいことばかり起きて困っていたが、三年目に同町の出口鉄五郎の土地で家を建てたので引っ越した。この鉄五郎という総領は元から心安かったが、色々と世話をしてやった縁で、そこの婆様が是非自分のところ土地にこいと言うので行った。この年から、勤めの仕事以外に諸道具の売買を内職にし始め、最初は損ばかりしていたが、だんだん慣れてきて儲けが出るようになった。
 始めた一月半ばかりの間に五・六十両ばかり損を出たものの、毎晩道具屋の市に出たので、随分徳がついた。

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